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2018年(1~12月)のマンション全国発売戸数は、8万256戸(前年比3.7%増)となりました。8万戸台に回復したのは2014年以来4年ぶりのことです。そのうち、最大マーケットの首都圏発売戸数は3万7,132戸(同3.4%増)となり、都内の立地難や販売価格の上昇からマンション供給力は一段と厳しい状況となっています。また、首都圏の全国に占める販売シェアも46.3%と、3年連続で5割以下という過半数割れが続いています。

全国5位以下は、年間発売3,000戸以下の中堅オーナー系が中心

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2018年の全国のマンション販売戸数ランキングで、トップは5年連続で住友不動産の7,377戸でした。全国2位は大阪の会社で、プレサンスコーポレーション(5,267戸)。こちらは2年連続の全国2位ですが、近畿圏におけるシェアでは2010年以来の9年連続トップを占めています。3位は野村不動産(5,224戸)、4位三菱地所レジデンス(3,614戸)、5位三井不動産レジデンシャル(3,198戸)の順となっており、ベスト5は、2位のプレサンスを除いてすべて、大手財閥系デベロッパーが占めております。

5位以下のランキングに名を連ねているのは年間3,000戸以下の中堅オーナー業者が中心で、6位は近畿圏が基盤のあなぶき興産、7位は近畿圏のみをマーケットとしている日本エスリード、8位は首都圏市場を基盤とするタカラレーベンとなっています。9位大和ハウス工業、10位新日鉄興和不動産の2社は、マンションが本業でない大手企業です。

20年前トップのライオンズマンションの大京は、上場廃止に

かつて29年間もの長きにわたって連続全国第1位という大記録を打ち立てたライオンズマンションの大京は、ここ数年、上位ランキングから姿を消しています。会社と社名は残っているものの今年1月からはオリックスに吸収されて、とうとう株式上場からも姿を消してしまいました。
こうしたマンション業界の激しい興亡を、わずか20年前の1998年(バブル崩壊後10年目の金融パニックの年)と比較してみると、その変化の激しさに改めて驚かされてしまいます。それを具体的に見てみましょう。

20年前と今とでは、まったく様変わりのマンション業界の興亡

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20年前の1998年の企業別全国発売ランキングのトップは、ジャパニーズドリームの不動のマンション王といわれた大京(7,926戸)です。続く2位以下のベスト5の会社は、三井不動産、野村不動産、リクルートコスモス、ダイア建設の順で、さらに6位以下は穴吹工務店、丸紅、大和団地、住友不動産、藤和不動産となっていました。

これを、昨年の2018年のベスト10会社と比べてみると、まったく様変わりしていることが、わかるでしょう。会社名が消えていたり、残っていても大手の会社に吸収・合併されたり、社名が変更されたりしている会社が大半で、今もそのまま残っているのは、大手財閥系デベロッパーの三井不動産、住友不動産、野村不動産のわずか3社のみです。

4位に顔を出していたリクルートコスモスは、親会社のリクルートから手離れされ、現在9位の大和ハウス工業の系列下となって、会社名もコスモスイニシアとなっています。5位だったダイア建設は、倒産。6位の穴吹工務店も倒産して、今は大京に吸収されて復活し100%子会社となっています。長男格だった穴吹工務店が姿を消すと、それに代わる弟格のあなぶき興産が、昨年は6位に入るという目まぐるしさです。8位の大和団地も、親会社の大和ハウス工業に吸収併合されて消滅。10位の藤和不動産は、三菱地所に吸収併合されて同じく消滅しています。まさに弱肉強食、優勝劣敗の戦国時代そのものの企業興亡の姿といえましょう。

少子化時代の今後、ピークは超えたマンション業の供給力

なお、20年前のマンションの全国マーケット規模は13万4,647戸の発売だったので、昨年が8万戸強だったことを考えると今よりも約1.6倍多かったことが分かります。さらに首都圏市場での比較を見ると、20年前は6万6,308戸だったのに対し、昨年は3万7,132戸となっています。こうして比べてみると、マーケット規模が半分弱に縮小しているのがよく分かります。今後、さらに少子化が本格化するということを見通すと、マンションの供給量は、よくて横ばい、かつてのようなピークに戻ることはないものとみられます。

こうした栄光と転落のマンション業界の興亡を見るにつけ、いかにマンション業界が歴史の浅い業界で、産業障壁がないがための新規参入しやすい環境にあったかを、如実に物語っているといえましょう。