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集合住宅と言われるマンションも、最近は地方都市にまで普及し、すっかり都市の住宅として定着しました。東京都のJR山手線内にいたっては新しい戸建て住宅が見られなくなり、ニョキニョキ建つのはコンクリートのマンションばかりで、それも見上げるような超高層タワーマンションの全盛期です。そこで国交省では、都市住宅として定着したマンションの全国調査を実施し、「2018年度全国マンション総合調査」としてまとめ、公表しました。これは5年に1回実施しているもので、2018年11~12月に調査し、全国のマンション管理組合1,688戸、区分所有者3,211人が回答しました。
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まず、マンション居住者の「永住意識」の変化を調べたところ、「永住するつもり」と回答した人は、62.8%と6割強にのぼり、5年前の前回調査(2013年度で52.4%)と比べ10.4ポイント増と過去最高の記録を更新しました。逆に「いずれは住み替えるつもり」という、いわゆる「住み替え派」は、5年前の調査と比べさらに下がり、17.1%と過去最低となりました。

マンション購入時は、「駅からの距離」「間取り」「買い物環境」を重視した

こうしたマンションの「永住派」が主流となった背景には、マンション価格の高騰、それによる庭付き一戸建て住宅の取得難、マンションライフ=便利・快適・安全という図式が世間に広まったことが原因として挙げられます。一昔前の『住宅すごろく』だったら、賃貸住宅から分譲マンションへ、そして定年前後に庭付き一戸建てに住み替えていくという流れが主流でしたが、最近では分譲マンションを取得した段階で“あがり”となってしまいました。
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「マンションの購入時に考慮した項目」については「駅からの距離など交通利便性」が72.6%で最も多く、次いで「間取り」の63.7%、「日常の買い物環境」が52.8%と上位を占め、生活環境に関する項目を重視する人が半数を超えていました。その一方で、管理運営に関する「共用部分の維持管理状況」(11.5%)や「共用施設・サービスの充実度」(6.8%)などは、わずかな回答でした。

「耐震診断をしていない」旧耐震基準のマンションが、まだ63%もある

耐震診断・耐震改修の実施状況についての結果は、旧耐震基準に基づき建設されたマンションのうち、「耐震診断を実施していない」マンションがなんと63.7%もあり、「耐震診断を実施した」マンションは34.0%に過ぎませんでした。
その「実施した」34.0%のマンションのうち、「耐震性がないと判断された」マンションは40.8%と4割もありました。さらに、「耐震性がないと判断された」マンションのうち、「耐震改修の実施の有無」について聞いたところ、「実施する予定はない」が38.1%。
一方、「実施した」も同率の38.1%もあって、これに「まだ実施していないが、今後実施する予定」の21.4%を加えると、59.5%の過半数を超え、前向きな姿勢がうかがえます。

次いで、マンションの管理組合に「マンションの老朽化問題についての対策」について聞いたところ、「対策の議論を行っていない」管理組合が56.3%と過半数を超えていました。
一方、「対策の議論を行った」管理組合のうち、「修繕・改修の方向で、具体的な検討をした」が19.3%で、「建て替え等の方向、修繕・改修の方向の両方で議論し、修繕・改修の方向で具体的な検討をした」が1.7%、「建て替えの方向で、具体的な検討をした」が0.5%となりました。この3つを合計した「方向性が出た」管理組合は、21.9%と2割以上に達しています。また、「対策の議論はしたが、具体的な方向性が出ていない」管理組合は16.6%でした。

「長期修繕計画」を作成していても、積立金不足のマンションが34%にも

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「長期修繕計画作成している」管理組合は90.9%にも上っており、「修繕積立金の額を設定している」管理組合は53.6%となりました。
長期修繕計画上の修繕積立金の積立額と、現時点の修繕積立金の積立額との差については、現時点の積立額が計画に比べて「不足している」マンションが34.8%。そのうち、不足の割合が「20%超不足している」マンションが15.5%になっています。
1戸当たりの月単位の平均修繕積立金は、駐車場使用料等からの充当額を含めると1万2,268円で、形態別では単棟型月平均が1万1,875円、団地型月平均が1万4,094円となりました。
駐車場使用料等からの充当額を除く修繕積立金の月平均は、1万1,243円で、形態別では、単棟型月平均は1万1,060円、団地型月平均は1万2,152円です。

また、一戸当たりの月単位の管理費はというと、駐車場使用料等からの充当額を含めると、平均1万5,956円。これは、総戸数規模が大きくなるほど低くなる傾向にあることがわかりました。形態別では、単棟型月平均が1万6,213円で団地型が1万4,660円。駐車場使用料等からの充当額を除く管理費の月平均は1万862円で、単棟型平均が1万970円、団地型平均が1万419円となっています。

居住者間トラブルの上位は、「生活音」「違法駐車・駐輪」「ペット飼育」

最後に、居住者間のトラブル(過去1年間)について、「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」が55.9%と最も多く、次いで「建物の不具合にかかわるもの」が31.1%、「費用負担にかかわるもの」が25.5%となっています。
一方、「特にトラブルは発生していない」は23.2%でした。このように、団地型は単棟型に比べて各トラブル発生率が高くなっています。

トラブル1位「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」の具体的な内容については、「生活音」が38.0%と最も多く、次いで「違法駐車・違法駐輪」が28.1%、「ペット飼育」18.1%となっています。「建物の不具合にかかわるもの」のトラブルの具体的内容については、「水漏れ」が18.7%と最も多く、次いで「雨漏り」の10.1%となっています。