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全国主要大都市の現在の地価動向を追うシリーズ、最終回は沖縄編です。3K(観光、基地、公共事業)の街と言われて久しい沖縄県ですが、円安効果とインバウンドの観光客増加により、沖縄本島ばかりか石垣島、宮古島などの離島も含めて活況を呈しています。これは、国内外の旅行者の観光需要が、これまでの3大都市圏中心から地方圏にも拡大しているという流れに加え、魅力的なリゾート開発の波が再び押し寄せているからと考えられます。現在、沖縄県内ではホテルの誘致活動が一段と活発化しており、地価上昇に大きく寄与しています。

ホテル建設ラッシュで、活況を見せるリゾート(再)開発事業

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沖縄エリアが活況を呈しているのは、沖縄県の全用途別動向を見てもはっきりと読み取れます。平成30年の沖縄県の住宅地の地価上昇率を見ると、昨年の3.0%増(全国第1位の上昇率)からさらに上昇して5.5%増となり、2年連続で全国上昇率第1位となりました。

商業地では、昨年の3.2%増(全国第5位)から5.6%へとアップし、全国上昇率ランキングでも、第1位の京都府に続いて第2位に躍進しました。また、工業地においても、昨年の4.5%増(全国第1位)に続いて、14.6%増という全国唯一の2ケタの大幅増をみせました。まさに沖縄は大型リゾートの開発・再開発ラッシュ真っ最中であり、この勢いはしばらく続くものとみられています。

まず、商業地の動向を見てみましょう。
商業地は、国内外の観光客の増加を背景に、店舗、ホテル等の需要がさらに堅調に推移し、那覇市内のみならず周辺の浦添市、宜野湾市、沖縄市などの地価でも高い上昇率を示しています。那覇市では昨年5.0%増でしたが、今年もさらに勢いを増し8.0%増となりました。中心の国際通りは一時の爆買い現象は少なくなったとはいえ、依然として活況を呈しており、周辺の中心市街地の繁華性も高く、新規ホテルが続々とオープンしています。新規再開発などもあちこちで見られ、地価上昇の大きな要因となっています。

具体的に見てみると、県内商業地の上昇率第1位は那覇市中心街の安里1丁目地点で20.7%の上昇をみせています。県内商業地の最高価格地点である那覇市久茂地3丁目地点も11.2%の上昇(1㎡当たり101万円)をみせており、土地需要は引き続き旺盛です。那覇市以外での商業地の上昇率の高かったところでは、土地区画整理事業の進展による影響で中城村が13.0%増と一番高く、次いで浦添市が8.1%増、北谷町が6.9%増、宜野湾市と沖縄市は5.3%増となっています。

石垣島や宮古島の離島にも、観光客が押し寄せ地価上昇の波

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離島においても、商業地の地価は上昇しています。
石垣市は昨年0.6%増でしたが、今年は観光客の増加により3.6%増に拡大しています。これは平成25年に開港した新石垣空港効果が持続していることがその要因に上げられます。また、観光客の増加により、宮古島の商業地でも高い取引が見られるようになりました。これまでの地価下落に歯止めがかかり、2.9%の上昇に転じております。

住宅地も大幅値上がりし、全国上昇率ベスト10の4位~9位を独占

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次に、住宅地の動向に注目してみましょう。
全国都道府県別で最高の値上がり率を見せただけあって、全国ベースでの住宅地の上昇率ベスト10の中、第4位から第9位までの6地点を沖縄県が独占しています。全国4位が那覇市おもろまち3丁目地点で17.4%の上昇率を見せました。これはおもろまち三丁目地点が新都心地区に位置し、県内外からの需要が旺盛なことが主な要因でしょう。全国5位は浦添市西原5丁目地点です。モノレールの延伸による利便性の向上期待が、地価を17.3%増まで押し上げました。6位は那覇市天久1丁目地点の16.2%増で、ここも新都心地区に位置している優位性で地価が大幅上昇。7位は区画整然とした住宅区域である北谷町字伊平伊礼原で12.8%増。8位は中城村字南上原中坂田原の12.1%増、9位は那覇市首里金城町1丁目の12.0%増となっています。

変動率の高い場所を地域的に見ると、那覇市の住宅地は昨年の3.5%増からさらに上昇幅を拡大させて、6.3%増と2倍近い伸び率を見せました。とくに新都心地区やその新都心地区に隣接する真嘉比地区などの土地区画整理事業地の土地は非常に人気が高いです。利便性が高く環境条件が良好な土地なので、空き地が少なく希少性が出ているのでしょう。このため、これらの地域の土地取引は高額で、那覇市の地価上昇をけん引しています。

次に那覇市以外の住宅地の特徴的な動きを見てみましょう。
北谷町は昨年の7.7%増から今年は2ケタ以上の上昇率を示し、11.6%増となりました。ついで読谷村の9.7%増、八重瀬町の8.2%増、宜野湾市の8.1%増と続きます。八重瀬町、宜野湾市とも土地区画整理事業が進み、高値取引がみられます。

都市交通もモノレールの延伸や、那覇空港の拡張整備開業が間近い

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最後に沖縄県全体でのマンションマーケットを見ると、これまでは那覇市がほとんどだった需要と供給が、最近は浦添市、豊見城市、宜野湾市など那覇市周辺地区に広がりを見せ、さらには北中城村、沖縄市、嘉手納町などの地域にもマンション分譲が見られるようになりました。
このように、沖縄県のマンション市況は活況を呈しています。戸建て住宅はRC造(鉄筋コンクリート造)が一般的でしたが、建築費が高騰していることから総額で3,000万円前後の木造建売住宅がよく売れていて、木造住宅が珍しかった沖縄において新たなトレンドとなっています。

沖縄での今後の交通インフラ事業の目玉としてモノレールの延伸事業があり、石嶺駅、経塚駅、前田駅、浦西駅(4駅ともすべて仮称)の新駅設置を含む4.1キロメートルの延伸が事業化されています(開業はH31年春予定)。また、那覇空港の拡張整備事業も動いています。新たに2,700メートルの滑走路増設することや、新国際空港ターミナルビルの新設等の那覇空港の充実を図る事業が進行しており、オープン予定のH32年春が待たれます。