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「空の産業革命」といわれている”ドローン(小型無人機)“の利・活用が、建築・不動産分野にまで押し寄せてきました。ビルやマンション、戸建て住宅などの既存建築物の俯瞰的撮影や、地上からは見えにくい最上階部分や屋上の簡便な検査・点検などに実導入の推進体制が図られようとしています。
また、建築施工・建築生産管理面、さらに防災などにも幅広い利用領域が想定されており、建築・不動産分野へのドローン活用は”夢“の段階から、いよいよ”実用“段階に入ろうとしています。

測量や宅配サービス分野で先行的試み

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ドローンとは、無線による遠隔操縦、あるいは搭載コンピュータにあらかじめプログラムされたパターンで自律飛行をする、操縦士が乗らない小型無人機を指します。
『ドローン』は英語でミツバチの雄を意味し、アメリカ軍が非公式にこの名前を小型無人機に使うようになったことで呼び方が広まりました。大きさは全長10cm程度の小型のものからあり、カメラや加速度センサー、傾きや角度などを検出するジャイロセンサーといった機器を装備して利用できるため、世界の関係機関、企業が利用方法を模索しています。従来のラジコンとは違って自動飛行ができることや、何らかの役割を果たすための目的ある飛行をさせることができます。

偵察や空爆などの軍事目的の開発や、米軍がパキスタンなどでイスラム原理主義組織のタリバーンを攻撃するのに使用したことから世界的な注目を集めました。最近では、民間産業各分野への新市場拡大が期待されるようになり、米国のアマゾンやグーグルでは、ドローンを利用した宅配サービスの実験が進められています。日本でも楽天とローソンなどが同じ宅配分野での実験を始めようとしており、測量分野での導入がいち早く試みられています。

航空法など空の規制が多いのも課題

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日本の航空法では、ドローンは模型飛行機と同じ扱いで、空に飛ばすにはかなりの制限があります。空港周辺の半径9kmの管制圏内は禁止ですし、旅客機の飛行ルート直下では高度150m以上はダメ、それ以外の空域でも高度250m以上の飛行は認められていません。人や家屋の密集している地域の上空では30m以下の飛行は禁止され、イベント上空飛行や夜間飛行も禁止されています。

このような空の規制があるとはいえ、規制外の人が立ち入れない上空の建物の撮影や点検など、ドローン技術の建築・不動産ビジネス分野への応用、利・活用のニーズは高まるばかりです。このため、所轄官庁の国土交通省では、実導入化のためのさまざまな整備体制を整えており、これに呼応して民間の建築分野でもドローン技術の普及を図るための団体が結成されました。「一般社団法人・日本建築ドローン協会」はこの10月から法人会員、個人会員の募集を始めており、活発な活動を開始しています。

「日本建築ドローン協会」が発足し、人材育成など普及活動へ

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この建築ドローン協会の主な所属メンバーは、国の建築研究所や産業技術総合研究所の専門家や、東大地震研究所の災害科学系研究部門、私立大学の建築材料部門の学者、無線・ドローン部門、システム部門関係者など、建築・ドローン関係の幅広い各専門家から構成されています。

おもな活動目的は、ドローン飛行技術の習得のための人材育成です。
これは、建築分野でのドローン活用のニーズが高まっているのに対して、ドローンの飛行技術を習得する場が少なかったことから、まずはドローン飛行技術を習得している技術者が少ない現状を打破する必要性があったためです。そのためのドローン人材育成プログラムを用意して、技能認定のための講習会を開催し、ドローン飛行認定技能者をたくさん養成していくことが現活動の主眼となっています。ついで、人材育成と並行して、ドローン技術活用の標準化を図り、新しい市場形成を目指していきます。

国内ドローンのサービス市場は、拡大一途の成長産業

わが国内のドローンの市場規模は、昨年の2016年が300億円で、4年後の2020年には4倍の1,200億円規模に拡大する見込みの成長産業とみられています。
1,200億円の内訳は、①ドローン機体そのものの市場が軍事利用を除いて200億円、②サービス市場(ドローンを活用した撮影・点検・検査サービス業務など)が800億円、③周辺サービス市場(バッテリーなどの消耗品の販売額や、人材育成ビジネス市場など)が200億円――となっています。

2020年以降のドローン市場は、さらなる成長・拡大が予想されています。ドローン機体そのものの市場以外で特に伸びが期待されている分野は、サービス市場分野での農業市場と検査市場分野で、ついで、測量や物流、防犯、空撮分野となっています。